「レオナルド・ダ・ヴィンチ ─天才の実像」

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東京国立博物館で開催されていた特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ ─天才の実像」に行ってきました。

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ダ・ヴィンチは寡作ではありますが、ルーヴルから1974年「モナ・リザ」が、そして、今年2007年にはウフィツィから「受胎告知」が日本にやってきたわけです。自分が生きている間にダ・ヴィンチの作品が来日するかどうかがわかりませんので、是非見に行かねばと思っていました。黒山のような人だかりを覚悟して。

天気に恵まれた日だったのですが、平日だったこともあり、思いの外、ゆっくりと受胎告知を見ることができました。この作品を見るための通路が作られており、「受胎告知」の目の前で立ち止まることは出来ませんが、絵からやや離れた一つ手前の通路ではしばらく止まって眺めることができました。やはり展覧会は会期半ばの平日に限りますね。ただ、絵の前を通り過ぎるだけ、もしくは人だかりのする中、人を分け入り分け入り、押したり押されたりしながら眺めるものと覚悟していましたので、非常に幸運だったと思います。

さて、その「受胎告知」がどういう作品であり、またどのような技巧を凝らしたものであるかは、以下のURLをご覧ください。

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=3859

『ダ・ヴィンチ・コード』以来、ダ・ヴィンチの作品と言えば何か謎が隠されていると考えて絵画をとらえる傾向になっています。イコノロジー研究は面白いと思いますし、そこで何かを「発見」できれば嬉しいことは間違いないでしょう。日本のイコノロジーの大家である若桑みどり先生の著書を読んだ時、これまで全く知らなかった絵画の見方を教えられ、驚きの連続だったのことを思い出します。しかし、反面、画家自身はその作品の寓意を細部にわたって鑑賞者に読み取ることを求めていたかというと、そこには大きな疑問が出て来ます。絵画自体が単に装飾的なものを追究するようになったのが中世以降であるという事実もあって、やはりルネサンス以降の絵画は所有者の邸宅を飾るもの、もしくは鑑賞者の審美眼を満足させるものと考え、その作品の謎やその細部に至る技巧を探るよりもまず、その絵画が最初何のために描かれ、どこに飾られていたかを想像し、絵画全体を「一枚の絵画」として眺めるべきなのだろうと思ったのでした。そうすれば、本作品が神秘的で、謎めいた作品であるというよりも中世からよく描かれていた主題「マリアに対して天使ガブリエルが受胎を告げる」場面であり、それをダ・ヴィンチが当時の絵画様式のもとに描いた作品ということになるのでしょう。ですから老若男女、貧しき者にも富める者にもその主題は一目瞭然であり、またその色彩は金色をほとんど使用してはいません(フラ・アンジェリコの「受胎告知」参照)が、その画面全体からくる静けさ(ボッティチェルリの「受胎告知」参照)と荘厳さに心を打たれただろうと思うのです。

ダ・ヴィンチ
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/davinci_annunciazione_u.html
フラ・アンジェリコ
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/angelico.html
ボッティチェルリ
http://www.angel-sphere.com/gallery/image/Botticelli4.jpg
http://www.eonet.ne.jp/~wukkynomori/art/itaria/itaria2.jpg
エル・グレコ
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/h-inb1/h-man/h-gre/IPA-inb310.htm

このようにかなり近い時代(少々フラ・アンジェリコが離れていますが)の同一主題の作品を見ると面白いものですね。共通点や相違点がはっきり見えてきます。

さて、その後は平成館という場所に移って、ダ・ヴィンチの手稿や彼の研究の成果を模型にしたものが展示されていました。この時に、なぜ美術館での開催ではなく、博物館での開催だったかを知った次第でした。こちらを見ていると、ダ・ヴィンチの知的関心がいかに多岐にわたっていたかを知ることができます。

会期終了まであと一ヶ月をきりました。もしいらっしゃるご予定があるならば、早目に、そしてできれば平日に行かれることをお勧めいたします。

       *             *              * 
 
さて、その後はアメ横を通って帰途につきました。途中ケバブのサンドイッチの匂いに誘われて、つい買い食い…^^;。ポケットパンにチキンかビーフのケバブのこそぎ落としたものを詰めて、キャベツとトマトを入れて、特製ソース(5種類ありました。やや辛いチリソースを選択しました)をかけて出来上がり。ボリュームたっぷりでなかなか美味でしたが、後から考えてみると、500円はやや高いかな。できればいつものように、水道橋までのんびり散歩をしながら帰りたかったのですが、時間も時間でしたので御徒町からJRに乗って帰りました。

楽しく充実した一日となりました^^。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

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