第2弾、ばぶを、親知らずを抜きに行く!

ほんの1か月ほど前、左下の親知らずを抜歯した。あまりのあっけなさに半ば拍子抜け、半ば感動して、抜歯した当日の晩御飯はハンバーグ、飲まないとここで誓ったアルコールだが、ほんの一口だったけれど、ちゃっかり飲んだ。
1か月後に厄介な右下の親知らずを抜歯する予約をし、しばらく仕事に忙殺されて忘れていた。左の抜歯がラクだったせいで、小心者の怖がりなのだけれど、全く恐怖心が起こらなかったのだ。それは先生を全面的に信頼しているというのもあるが。
一般的に親知らずの抜歯は下のほうがきついと言われている。それに加えて素直で真っ直ぐに生えていた左下の親知らずとは対照的に、右は横向きに生えている。ひねくれものだ。埋まっていないのが不幸中の幸いである。
とはいえ、前回の抜歯と、ネットで検索した情報などを考慮しても、手術にかかる時間(大袈裟かもしれないが、先生は手術と言っていた)長くても30分位で済むかなと軽く考えていた。
麻酔をしてそれが効くまで15分。さあ、横向き右下抜歯の始まり始まり。
先生曰く歯は生えている方向にしか抜けないので、横向きの場合、隣に歯があるのでひっぱるための(正確には引っこ抜くための)空間がない。そこで、親知らずを削って小さくし、さらに分割して抜いていくとのことだった。
世の中の皆様の横向き親知らず抜歯記を読むと、結構ハンマーとのみのようなもので歯を分割した(割った)と書いてある。そもそも口の中にはハンマーとのみを使える程広々とした空間がないし、『ののちゃん』という4コママンガでお父さんのたかしさんが釘をうつのに、自分の手をハンマーで叩いちゃったなんてオチがあるくらいで、万が一ハンマーを振り下ろした先が…とか、のみがずれちゃって…とか、勝手に恐ろしい流血事件を思い描いたりして、ちょっとドキドキしたんだけれど、どうやらそういう原始的な(実は合理的なのかもしれないけれど、でもイヤ!)道具で分割するのではなかった。
削っては抜こうとし、抜こうとしては削る、それを何度も繰り返していた先生。口が小さい私としては、そろそろ口を開けているのが辛くなってきたなぁと思いつつ、どうせあと少しだからとふんばった。しかし、先生が何度か「何で抜けないのかなぁ、普通であれば抜けているはずなのに、おかしいなぁ…」と言い出し、さすがに一抹の不安を覚えた。
分割したうちの2/3は抜けているのに、最後の1/3がどうしても抜けないらしい。しかも、麻酔が効いていて、神経のないはずの部分を削ろうとすると少し痛みを感じた。何が原因かはっきりさせるために、この状態でレントゲンを撮りましょうと言われた時、ちょっと嬉しかった。やっと口を閉じられる!口の端が痛いんだよー。
さて、現像の結果、前のレントゲン画像ではわからなかったけれど(先生の名誉のために言っておくと、前の画像は最近歯肉炎を起こした時の画像であまりの歯茎の痛さにレントゲンを撮影する時に、口がガクガクしてしまって多少不鮮明だったはず笑)、鮮明なレントゲンに写ったものは、親知らずの歯根が動脈に接しかけている様子だった。ということは、傍に神経もあるわけで、どちらも傷つけないように抜歯するというのはなかなか大変なことらしい。最悪の場合は、上の部分を削って根を少々残したままにしておき、だんだん根が上がって来る(動脈から離れてくる)から、そうしたら、その根をとるという処置にするかもしれないと言われた。冷静になって今考えると、そうなったら一旦閉じた歯肉を切開することになるから、それはそれで面倒なことになるのだが、その時はとにかく、早く口を閉じたい〜、口の端が痛い〜、そんなに口をひっぱったら痛いよ〜、それだけだった。
「抜けた!」
ああ、闘いは終わったんだなと思ったけれど、もう私と親知らずとの闘いというよりも、先生と親知らずの闘いを見ているだけのような気分だった。親知らずの根の部分が鉤状になって抜けにくかったんだねと先生が説明してくれた。それは大変だ〜、私じゃなくて、先生が、とこれまた他人事のような気分だった。
その後、動脈を傷つけていないか、つまり大量の出血がないかを30分ほどかけて確認して、麻酔から計算して、2時間半弱の闘いが無事終了した。
─ここ5年で一番厄介だったなぁ。私、25年やっていて、その中でもっと大変な人もいたけれど、今回の大変さは十指に入るね。
ああ、やっぱりこの親知らずと闘っていたのは、先生だったんだ。
厄介な症例を提供できたことで、何か先生に褒められたような気持ちになった。そんなはずはないけれど。
─今日は出血がある*から、家に帰ったらタオルをたくさん枕において、ティッシュも箱で用意して、すぐに休んで下さい。今日はまぁ、ウィダーインゼリーかお粥かな。とにかく噛まずに済むものだね。そして、明日は腫れて痛くなるから、うん、まぁ口を開けられない**と思うんだよね。
*結局前回程度の出血で済んだ。ちょっと唾に血が混じる程度。
**筋肉痛(頬から顎にかけての)のために大きな口を開けてモノを食べるのが少々苦しい程度。
この闘いは24時間前の出来事だ。さすがに前回のようにハンバーグを食べようという気は全く起こらず、昨晩はヨーグルトドリンクとエネルギーチャージ系のゼリーを胃の中に流し込んだだけだった。そして、帰宅した時点でもう腫れていたらしい(最初は綿を噛んでいるから頬が膨らんでいるのかと思ったが、綿を出しても変わらなかった笑)。そして、24時間後の今も、まだまだ宍戸錠ごっこを十二分に楽しめそうな感じだ。痛みはというと、やはり私は鈍感なのだろうか。ポンタールとロキソニンの2種類が鎮痛剤として処方されているのだが、ロキソニン*のお世話にはなっていない。むしろ傷口が痛いというよりも、単に頬から顎にかけての筋肉が痛い(口の開け過ぎだ〜泣)。
*ロキソニンは最近副作用で話題になったという記憶がある。そもそも鎮痛剤自体滅多に服用しないからなのか、一般的な服用量の半分でも効いてしまうので、ロキソニンを飲むに至らない。
この腫れはいつになったらひくのかなぁ。また、腫れの状態を追記したいと思う。親知らずの抜歯を検索して、たまたまここに辿り着いて読んでくださる方のためにも。
さて、マスクをして、これから都知事選に行ってくるとしよう。
で、今晩は少し飲んでもいいかな?←本当はいいわけない。
治療に関する追記:水平智歯で根は鉤状。埋没はしていないのだけれど、動脈・神経と根がほぼ接しかけている状態。骨を削って歯を砕いて抜歯。処方されたのはタリビッド、ポンタール、ロキソニン。
抜歯後の経過はこちら。
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