『素粒子はおもしろい』
益川敏英著。岩波ジュニア新書。
ノーベル賞受賞した益川先生の本が、ジュニアから出るとなれば、文系の私にだってわかるだろうと期待もするだろう。そして、結果は無惨な敗退。この本をあっさりと理解できる中高生がいるならば、是非弟子入りしたい気持ちである。
素粒子を少しでも勉強したことのある人ならば、わかるのかもしれない。しかし、素粒子の世界を初めて覗いてみようと思う人には、見知らぬ外国語で書かれた書物とさして差はない。到底何らかの「辞書」なしには読めない代物だ。本書の中身はおよそ150ページ。そして、その中にはコラムが相当の紙面を割いている(33ページ)。つまり素粒子について説明をしている紙面は120ページほどで、字がスカスカときた日には、中身が薄いか、専門用語を使って簡潔すぎる程簡潔に説明してあるかどちらか、もしくは両方としか考えられない。
そんなものがなぜジュニア新書なのか。おそらく、ブルーバックスには益川先生の本がすでにあるので、岩波としても是非出版したかった。しかし、岩波新書では出せないと思ったのだろう(おそらくコラムなどを読んでいただければおわかりと思う)。だから、ジュニア向けに出すので簡単にご説明願えますかという岩波側の要望に応えて、益川先生が口頭で伝えた内容を編集者がまとめて、ご本人がそれに目を通して、GOサイン、というあたりの推測は当たらずとも遠からずだろう。
ということで、「素粒子はおもしろい」かもしれないが、『素粒子はおもしろい』はおもしろくない。おあとがよろしいようで。
ノーベル賞受賞した益川先生の本が、ジュニアから出るとなれば、文系の私にだってわかるだろうと期待もするだろう。そして、結果は無惨な敗退。この本をあっさりと理解できる中高生がいるならば、是非弟子入りしたい気持ちである。
素粒子を少しでも勉強したことのある人ならば、わかるのかもしれない。しかし、素粒子の世界を初めて覗いてみようと思う人には、見知らぬ外国語で書かれた書物とさして差はない。到底何らかの「辞書」なしには読めない代物だ。本書の中身はおよそ150ページ。そして、その中にはコラムが相当の紙面を割いている(33ページ)。つまり素粒子について説明をしている紙面は120ページほどで、字がスカスカときた日には、中身が薄いか、専門用語を使って簡潔すぎる程簡潔に説明してあるかどちらか、もしくは両方としか考えられない。
そんなものがなぜジュニア新書なのか。おそらく、ブルーバックスには益川先生の本がすでにあるので、岩波としても是非出版したかった。しかし、岩波新書では出せないと思ったのだろう(おそらくコラムなどを読んでいただければおわかりと思う)。だから、ジュニア向けに出すので簡単にご説明願えますかという岩波側の要望に応えて、益川先生が口頭で伝えた内容を編集者がまとめて、ご本人がそれに目を通して、GOサイン、というあたりの推測は当たらずとも遠からずだろう。
ということで、「素粒子はおもしろい」かもしれないが、『素粒子はおもしろい』はおもしろくない。おあとがよろしいようで。
スポンサーサイト